こんにちは,事務局の者です。
9月に入ってから雨の日が続き,外出しないで読書でもと,湊かなえさんの『豆の上で眠る』を手に取りました。
小学校3年生と1年生の仲良し姉妹の妹が主人公。姉が妹に,アンデルセン童話「エンドウ豆の上に眠るお姫様」を読み聞かせるところから物語は始まります。
幾重にも重なる布団の下にあるエンドウ豆にも気づいたお姫様。
そんな些細なことへの違和感が,最後までこの小説の大事なポイントになっています。
ある夏の日,大好きな姉が失踪してしまいます。
一体どんな事件に巻き込まれてしまったのか,恐怖感を煽る描写により,一気にストーリーに引き込まれました。
母親は,ありとあらゆる方法で次女(主人公)を利用し,長女(主人公の姉)を狂ったように探し続けます。
行方不明になってから2年,突然姉は戻ってくるのですが,家族の中で主人公だけが,本物の姉ではないのではないかという違和感を抱き続けることになります。
登場人物の心理模様が巧く表わされており,不安が押し寄せてくる世界にどっぷりと浸ってしまいました。
自ら進んで恐怖感を味わいたい方にお薦めの一冊です。(事務局)
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