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交通犯罪

法定刑

無免許運転や酒気帯び運転の罪を犯した場合,1月以上3年以下の懲役または1万円以上50万円以下の罰金に,酒酔い運転の罪を犯した場合,1月以上5年以下の懲役または1万円以上100万円以下の罰金に,それぞれ処せられます(道路交通法64条1項,65条1項,117条の2第1号,117条の2の2第1,3号)。

また,自動車運転上の過失により人を死傷させた場合,過失運転致死傷の罪となり,1月以上7年以下の懲役もしくは禁錮または1万円以上100万円以下の罰金に,アルコール・薬物・特定の疾患(てんかん等)の影響下にあった場合,高速度で運転するなど悪質な運転行為の中で事故を起こした場合,無免許の場合など,非難を強める一定の事情があるときは,危険運転致死傷等の罪となり,最大で1年以上20年以下の懲役に,それぞれ処せられます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2,3,5,6条)。

さらに,救護義務に違反した場合,1月以上5年以下の懲役または1万円以上50万円以下の罰金に,それがひき逃げの場合,1月以上10年以下の懲役または1万円以上100万円以下の罰金に,アルコールや薬物の影響の有無や程度の発覚を免れるような行為をした場合,1月以上12年以下の懲役に,それぞれ処せられます(道路交通法72条1項,117条,自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律4条)。

なお,無免許運転行為や酒気帯び運転行為から3,酒酔い運転行為や過失運転致傷行為,救護義務違反行為から5,ひき逃げ行為やアルコール・薬物発覚免脱行為から7,過失運転致死行為や危険運転致傷行為から10,危険運転致死行為から20で時効になります(刑事訴訟法250条1項2,3号,2項3,4,5,6号)。

弁護方針

逮捕等回避

交通犯罪の場合,無免許運転や酒気帯び運転の罪には被害者が存在せず,被害者に対する働きかけのおそれを懸念する余地が存在しません。

また,被害者が存在する類型においても,事実を明らかにするための複雑な現場検証等にかなりの時間を要し,逮捕・勾留の20日強では到底足りないことも少なくありません。

もちろん,多数人を死傷させたような重大事件ともなれば,逮捕・勾留は避けられませんが,一般論として,交通犯罪においては逮捕・勾留されず,在宅事件になることが比較的多いといえます。

いずれにせよ,早期に弁護士に相談し,自首も検討しつつ,逮捕・勾留回避活動をしっかり行い,逮捕・報道回避,釈放獲得を目指す必要があります(お知らせ「刑事事件の報道や勤務先・学校への露呈の回避」も併せてご覧ください)。

仮に勾留され,起訴されてしまったとしても,弁護士が適切な内容の保釈請求をすれば,保釈が認められる可能性は十分にあります。

示談が成立すれば,その可能性はさらに高まります。

もっとも,多数人を死傷させたような悪質な事案の場合,保釈が認められないこともあります。

このような場合,裁判がある程度進んだ時点で,再度保釈にチャレンジすることになります(お知らせ「勾留と保釈」も併せてご覧ください)。

認め事件

交通犯罪の場合,弁護士を介して被害者に謝罪した上,示談成立を目指すことが活動の中心になります(弁護士費用プラン①参照)。

保険会社などが間に入ってくることも多いので,うまく連携を取りながら,早期の示談成立を目指す必要があります(お知らせ「示談」「情状弁護」も併せてご覧ください)。

また,被害者が存在しない場合や,被害者が示談を完全に拒否している場合,弁護士を介して贖罪寄付を行うこともあります。

もっとも,後に被害者が翻意し,寄付金に加えて示談金も用意しなければならないリスクもありますので,贖罪寄付を行うかどうかは,慎重に判断しなければなりません。

他に,自首,家族など監督者の存在のアピールなども必要になってきます。

無免許運転であれば交通規範意識の問題が,酒気帯び運転であればアルコールの問題が絡んでくるように,交通犯罪の類型に応じて再犯防止策も異なってきますので,個別具体的な更生環境整備を実施することが重要です。

また,弁護士が行為の態様・結果・動機といった基本的な部分もきちんとチェックし,当該交通犯罪行為が同種事案の中で特に悪質とまではいえないと主張できるような要素を,漏れなく拾い上げる必要もあります(お知らせ「行為責任主義」も併せてご覧ください)。

否認事件

交通犯罪の場合,捜査段階では,弁護士が頻繁に接見するなどして取調べ等の捜査状況を把握すると共に,終局処分の見通しを早期に把握することが必要不可欠です。

弁護士の見極め次第では,嫌疑不十分を狙うことも十分にあり得るところです。

被疑者自身は,黙秘権行使を原則とし,あえて積極的に供述していくときは,弁護士と相談しながら慎重に行っていく必要があります。

裁判段階では,まず弁護士が検察官証拠を吟味し,その上で網羅的な証拠開示請求を行って開示証拠を精査し,弁護士と被告人が綿密に協議しながら,検察官立証の要を崩す方策を見つけ出す必要があります。

要となる検察官証拠に対する証拠意見はすべて不同意として,証人の証言の不合理な部分を反対尋問で徹底的に弾劾したり,被告人に有利な証拠を積極的に収集・提出したり,被告人は無罪であることを弁論で強力かつ説得的に論じたりするなど,事案に応じ様々な手を打っていくことになります。

関連条文

道路交通法64条

1 何人も,第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第5項,第103条第1項若しくは第4項,第103条の2第1項,第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第5項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。),自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。

道路交通法65条

1 何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

道路交通法72条

1 交通事故があったときは,当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は,直ちに車両等の運転を停止して,負傷者を救護し,道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において,当該車両等の運転者(運転者が死亡し,又は負傷したためやむを得ないときは,その他の乗務員。以下次項において同じ。)は,警察官が現場にいるときは当該警察官に,警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所,当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度,当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

道路交通法117条

1 車両等(軽車両を除く。以下この項において同じ。)の運転者が,当該車両等の交通による人の死傷があった場合において,第72条(交通事故の場合の措置)第1項前段の規定に違反したときは,5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

2 前項の場合において,同項の人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときは,10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

道路交通法117条の2

次の各号のいずれかに該当する者は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

一 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で,その運転をした場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあったもの

道路交通法117条の2の2

次の各号のいずれかに該当する者は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

一 法令の規定による運転の免許を受けている者(第107条の2の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し,又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第88条第1項第2号から第4号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が1年を超えている場合を含む。)運転した者

三 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で,その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあったもの

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条

次に掲げる行為を行い,よって,人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し,人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。

一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為

三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為

四 人又は車の通行を妨害する目的で,走行中の自動車の直前に進入し,その他通行中の人又は車に著しく接近し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

六 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により,又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって,これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律3条

1 アルコール又は薬物の影響により,その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で,自動車を運転し,よって,そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り,人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し,人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。

2 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により,その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で,自動車を運転し,よって,その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り,人を死傷させた者も,前項と同様とする。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律4条

アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が,運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた場合において,その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で,更にアルコール又は薬物を摂取すること,その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは,12年以下の懲役に処する。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条

自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律6条

1 第2条(第3号を除く。)の罪を犯した者(人を負傷させた者に限る。)が,その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは,6月以上の有期懲役に処する。

2 第3条の罪を犯した者が,その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは,人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し,人を死亡させた者は6月以上の有期懲役に処する。

3 第4条の罪を犯した者が,その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは,15年以下の懲役に処する。

4 前条の罪を犯した者が,その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは,10年以下の懲役に処する。

刑事訴訟法250条

1 時効は,人を死亡させた罪であって禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については,次に掲げる期間を経過することによって完成する。

二 長期20年の懲役又は禁錮に当たる罪については20年

三 前二号に掲げる罪以外の罪については10年

2 時効は,人を死亡させた罪であって禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については,次に掲げる期間を経過することによって完成する。

三 長期15年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については10年

四 長期15年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については7年

五 長期10年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については5年

六 長期5年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については3年

刑法12条

1 懲役は,無期及び有期とし,有期懲役は,1月以上20年以下とする。

刑法13条

1 禁錮は,無期及び有期とし,有期禁錮は,1月以上20年以下とする。

刑法15条

罰金は,1万円以上とする。ただし,これを減軽する場合においては,1万円未満に下げることができる。

お客様の声

事案ケース

横断歩道上の歩行者とオートバイで衝突したという過失運転致傷の事案で,更生環境整備等の活動により,執行猶予判決を獲得したケース

私は,横断歩道上の歩行者とオートバイで衝突する事故を起こしてしまいました。

その過失運転致傷の裁判をする為に,末原刑事法律事務所に依頼しました。

そして,被害者様への謝罪文を書き,所有しているオートバイのナンバープレートを返却し,裁判までに末原先生と何度も入念な打合せをしました。

今回,執行猶予判決となり,刑務所には入らずに済みましたが,執行猶予5年という刑期の中でしっかり反省し,終えた後も二度とこの様な事を起こさない為に安全運転を心がけ,二度と好きな乗り物で人を傷つけたりしないようにしていきたいです。

そして何より,被害者様にしっかりと謝罪,償いをしたいです。

今回,末原先生には大変お世話になりました。

本当にありがとうございました。

弁護士から

まずは被害者様への謝罪,償いをしっかり行っていってください。その上で,多々ルーズな面があったこれまでの自分自身を改め,事件事故とは無縁の人生を歩んでいってくれることを心より願っています。

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