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新法考察11(捜査・公判協力型協議・合意制度及び刑事免責制度の導入【H30.6までに施行】)

刑事訴訟法157条の2

1 検察官は,証人が刑事訴追を受け,又は有罪判決を受けるおそれのある事項についての尋問を予定している場合であって,当該事項についての証言の重要性,関係する犯罪の軽重及び情状その他の事情を考慮し,必要と認めるときは,あらかじめ,裁判所に対し,当該証人尋問を次に掲げる条件により行うことを請求することができる。

一 尋問に応じてした供述及びこれに基づいて得られた証拠は,証人が当該証人尋問においてした行為が第161条又は刑法第169条の罪に当たる場合に当該行為に係るこれらの罪に係る事件において用いるときを除き,証人の刑事事件において,これらを証人に不利益な証拠とすることができないこと。

二 第146条の規定にかかわらず,自己が刑事訴追を受け,又は有罪判決を受けるおそれのある証言を拒むことができないこと。

2 裁判所は,前項の請求を受けたときは,その証人に尋問すべき事項に証人が刑事訴追を受け,又は有罪判決を受けるおそれのある事項が含まれないと明らかに認められる場合を除き,当該証人尋問を同項各号に掲げる条件により行う旨の決定をするものとする。

刑事訴訟法157条の3

1 検察官は,証人が刑事訴追を受け,又は有罪判決を受けるおそれのある事項について証言を拒んだと認める場合であって,当該事項についての証言の重要性,関係する犯罪の軽重及び情状その他の事情を考慮し,必要と認めるときは,裁判所に対し,それ以後の当該証人尋問を前条第1項各号に掲げる条件により行うことを請求することができる。

2 裁判所は,前項の請求を受けたときは,その証人が証言を拒んでいないと認められる場合又はその証人に尋問すべき事項に証人が刑事訴追を受け,若しくは有罪判決を受けるおそれのある事項が含まれないと明らかに認められる場合を除き,それ以後の当該証人尋問を前条第1項各号に掲げる条件により行う旨の決定をするものとする。

刑事訴訟法350条の2

1 検察官は,特定犯罪に係る事件の被疑者又は被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件(以下単に「他人の刑事事件」という。)について一又は二以上の第一号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性,関係する犯罪の軽重及び情状,当該関係する犯罪の関連性の程度その他の事情を考慮して,必要と認めるときは,被疑者又は被告人との間で,被疑者又は被告人が当該他人の刑事事件について一又は二以上の同号に掲げる行為をし,かつ,検察官が被疑者又は被告人の当該事件について一又は二以上の第二号に掲げる行為をすることを内容とする合意をすることができる。

一 次に掲げる行為

イ 第198条第1項又は第223条第1項の規定による検察官,検察事務官又は司法警察職員の取調べに際して真実の供述をすること。

ロ 証人として尋問を受ける場合において真実の供述をすること。

ハ 検察官,検察事務官又は司法警察職員による証拠の収集に関し,証拠の提出その他の必要な協力をすること(イ及びロに掲げるものを除く。)。

二 次に掲げる行為

イ 公訴を提起しないこと。

ロ 公訴を取り消すこと。

ハ 特定の訴因及び罰条により公訴を提起し,又はこれを維持すること。

ニ 特定の訴因若しくは罰条の追加若しくは撤回又は特定の訴因若しくは罰条への変更を請求すること。

ホ 第293条第1項の規定による意見の陳述において,被告人に特定の刑を科すべき旨の意見を陳述すること。

ヘ 即決裁判手続の申立てをすること。

ト 略式命令の請求をすること。

2 前項に規定する「特定犯罪」とは,次に掲げる罪(死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たるものを除く。)をいう。

一 刑法第96条から第96条の6まで若しくは第155条の罪,同条の例により処断すべき罪,同法第157条の罪,同法第158条の罪(同法第155条の罪,同条の例により処断すべき罪又は同法第157条第1項若しくは第2項の罪に係るものに限る。)又は同法第159条から第163条の5まで,第197条から第197条の4まで,第198条,第246条から第250条まで若しくは第252条から第254条までの罪

二 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(略。以下「組織的犯罪処罰法」という。)第3条第1項第一号から第四号まで,第十三号若しくは第十四号に掲げる罪に係る同条の罪,同項第十三号若しくは第十四号に掲げる罪に係る同条の罪の未遂罪又は組織的犯罪処罰法第10条若しくは第11条の罪

三 前二号に掲げるもののほか,租税に関する法律,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(略)又は金融商品取引法(略)の罪その他の財政経済関係犯罪として政令で定めるもの

四 次に掲げる法律の罪

イ 爆発物取締罰則(略)

ロ 大麻取締法(略)

ハ 覚せい剤取締法(略)

ニ 麻薬及び向精神薬取締法(略)

ホ 武器等製造法(略)

ヘ あへん法(略)

ト 銃砲刀剣類所持等取締法(略)

チ 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(略)

五 刑法第103条,第104条若しくは第105条の2の罪又は組織的犯罪処罰法第7条第1項第一号から第三号までに掲げる者に係る同条の罪(いずれも前各号に掲げる罪を本犯の罪とするものに限る。)

3 第1項の合意には,被疑者若しくは被告人がする同項第一号に掲げる行為又は検察官がする同項第二号に掲げる行為に付随する事項その他の合意の目的を達するため必要な事項をその内容として含めることができる。

刑事訴訟法350条の3

1 前条第1項の合意をするには,弁護人の同意がなければならない。

2 前条第1項の合意は,検察官,被疑者又は被告人及び弁護人が連署した書面により,その内容を明らかにしてするものとする。

刑事訴訟法350条の4

第350条の2第1項の合意をするため必要な協議は,検察官と被疑者又は被告人及び弁護人との間で行うものとする。ただし,被疑者又は被告人及び弁護人に異議がないときは,協議の一部を弁護人のみとの間で行うことができる。

刑事訴訟法350条の5

1 前条の協議において,検察官は,被疑者又は被告人に対し,他人の刑事事件について供述を求めることができる。この場合においては、第198条第2項の規定を準用する。

2 被疑者又は被告人が前条の協議においてした供述は,第350条の2第1項の合意が成立しなかったときは,これを証拠とすることができない。

3 前項の規定は,被疑者又は被告人が当該協議においてした行為が刑法第103条,第104条若しくは第172条の罪又は組織的犯罪処罰法第7条第1項第一号若しくは第二号に掲げる者に係る同条の罪に当たる場合において,これらの罪に係る事件において用いるときは,これを適用しない。

刑事訴訟法350条の6

1 検察官は,司法警察員が送致し若しくは送付した事件又は司法警察員が現に捜査していると認める事件について,その被疑者との間で第350条の4の協議を行おうとするときは,あらかじめ,司法警察員と協議しなければならない。

2 検察官は,第350条の4の協議に係る他人の刑事事件について司法警察員が現に捜査していることその他の事情を考慮して,当該他人の刑事事件の捜査のため必要と認めるときは,前条第1項の規定により供述を求めることその他の当該協議における必要な行為を司法警察員にさせることができる。この場合において,司法警察員は,検察官の個別の授権の範囲内で,検察官が第350条の2第1項の合意の内容とすることを提案する同項第二号に掲げる行為の内容の提示をすることができる。

刑事訴訟法350条の7

1 検察官は,被疑者との間でした第350条の2第1項の合意がある場合において,当該合意に係る被疑者の事件について公訴を提起したときは,第291条の手続が終わった後(事件が公判前整理手続に付された場合にあっては,その時後)遅滞なく,証拠として第350条の3第2項の書面(以下「合意内容書面」という。)の取調べを請求しなければならない。被告事件について,公訴の提起後に被告人との間で第350条の2第1項の合意をしたときも,同様とする。

2 前項の規定により合意内容書面の取調べを請求する場合において,当該合意の当事者が第350条の10第2項の規定により当該合意から離脱する旨の告知をしているときは,検察官は,あわせて,同項の書面の取調べを請求しなければならない。

3 第1項の規定により合意内容書面の取調べを請求した後に,当該合意の当事者が第350条の10第2項の規定により当該合意から離脱する旨の告知をしたときは,検察官は,遅滞なく,同項の書面の取調べを請求しなければならない。

刑事訴訟法350条の8

被告人以外の者の供述録取書等であって,その者が第350条の2第1項の合意に基づいて作成したもの又は同項の合意に基づいてされた供述を録取し若しくは記録したものについて,検察官,被告人若しくは弁護人が取調べを請求し,又は裁判所が職権でこれを取り調べることとしたときは,検察官は,遅滞なく,合意内容書面の取調べを請求しなければならない。この場合においては,前条第2項及び第3項の規定を準用する。

刑事訴訟法350条の9

検察官,被告人若しくは弁護人が証人尋問を請求し,又は裁判所が職権で証人尋問を行うこととした場合において,その証人となるべき者との間で当該証人尋問についてした第350条の2第1項の合意があるときは,検察官は,遅滞なく,合意内容書面の取調べを請求しなければならない。この場合においては,第350条の7第3項の規定を準用する。

刑事訴訟法350条の10

次の各号に掲げる事由があるときは,当該各号に定める者は,第350条の2第1項の合意から離脱することができる。

一 第350条の2第1項の合意の当事者が当該合意に違反したとき その相手方

二 次に掲げる事由 被告人

イ 検察官が第350条の2第1項第二号ニに係る同項の合意に基づいて訴因又は罰条の追加,撤回又は変更を請求した場合において,裁判所がこれを許さなかったとき。

ロ 検察官が第350条の2第1項第二号ホに係る同項の合意に基づいて第293条第1項の規定による意見の陳述において被告人に特定の刑を科すべき旨の意見を陳述した事件について,裁判所がその刑より重い刑の言渡しをしたとき。

ハ 検察官が第350条の2第1項第二号ヘに係る同項の合意に基づいて即決裁判手続の申立てをした事件について,裁判所がこれを却下する決定(第350条の22第三号又は第四号に掲げる場合に該当することを理由とするものに限る。)をし,又は第350条の25第1項第三号若しくは第四号に該当すること(同号については,被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述と相反するか又は実質的に異なった供述をしたことにより同号に該当する場合を除く。)となったことを理由として第350条の22の決定を取り消したとき。

ニ 検察官が第350条の2第1項第二号トに係る同項の合意に基づいて略式命令の請求をした事件について,裁判所が第463条第1項若しくは第2項の規定により通常の規定に従い審判をすることとし,又は検察官が第465条第1項の規定により正式裁判の請求をしたとき。

三 次に掲げる事由 検察官

イ 被疑者又は被告人が第350条の4の協議においてした他人の刑事事件についての供述の内容が真実でないことが明らかになったとき。

ロ 第一号に掲げるもののほか,被疑者若しくは被告人が第350条の2第1項の合意に基づいてした供述の内容が真実でないこと又は被疑者若しくは被告人が同項の合意に基づいて提出した証拠が偽造若しくは変造されたものであることが明らかになったとき。

2 前項の規定による離脱は,その理由を記載した書面により,当該離脱に係る合意の相手方に対し,当該合意から離脱する旨の告知をして行うものとする。

刑事訴訟法350条の11

検察官が第350条の2第1項第二号イに係る同項の合意に基づいて公訴を提起しない処分をした事件について,検察審査会法第39条の5第1項第一号若しくは第二号の議決又は同法第41条の6第1項の起訴議決があったときは,当該合意は,その効力を失う。

刑事訴訟法350条の12

1 前条の場合には,当該議決に係る事件について公訴が提起されたときにおいても,被告人が第350条の4の協議においてした供述及び当該合意に基づいてした被告人の行為により得られた証拠並びにこれらに基づいて得られた証拠は,当該被告人の刑事事件において,これらを証拠とすることができない。

2 前項の規定は,次に掲げる場合には,これを適用しない。

一 前条に規定する議決の前に被告人がした行為が,当該合意に違反するものであったことが明らかになり,又は第350条の10第1項第三号イ若しくはロに掲げる事由に該当することとなったとき。

二 被告人が当該合意に基づくものとしてした行為又は当該協議においてした行為が第350条の15第1項の罪,刑法第103条,第104条,第169条若しくは第172条の罪又は組織的犯罪処罰法第7条第1項第一号若しくは第二号に掲げる者に係る同条の罪に当たる場合において,これらの罪に係る事件において用いるとき。

三 証拠とすることについて被告人に異議がないとき。

刑事訴訟法350条の13

1 検察官が第350条の2第1項第二号イからニまで,ヘ又はトに係る同項の合意(同号ハに係るものについては,特定の訴因及び罰条により公訴を提起する旨のものに限る。)に違反して,公訴を提起し,公訴を取り消さず,異なる訴因及び罰条により公訴を提起し,訴因若しくは罰条の追加,撤回若しくは変更を請求することなく若しくは異なる訴因若しくは罰条の追加若しくは撤回若しくは異なる訴因若しくは罰条への変更を請求して公訴を維持し,又は即決裁判手続の申立て若しくは略式命令の請求を同時にすることなく公訴を提起したときは,判決で当該公訴を棄却しなければならない。

2 検察官が第350条の2第1項第二号ハに係る同項の合意(特定の訴因及び罰条により公訴を維持する旨のものに限る。)に違反して訴因又は罰条の追加又は変更を請求したときは,裁判所は,第312条第1項の規定にかかわらず,これを許してはならない。

刑事訴訟法350条の14

1 検察官が第350条の2第1項の合意に違反したときは,被告人が第350条の4の協議においてした供述及び当該合意に基づいてした被告人の行為により得られた証拠は,これらを証拠とすることができない。

2 前項の規定は,当該被告人の刑事事件の証拠とすることについて当該被告人に異議がない場合及び当該被告人以外の者の刑事事件の証拠とすることについてその者に異議がない場合には,これを適用しない。

刑事訴訟法350条の15

1 第350条の2第1項の合意に違反して,検察官,検察事務官又は司法警察職員に対し,虚偽の供述をし又は偽造若しくは変造の証拠を提出した者は,5年以下の懲役に処する。

2 前項の罪を犯した者が,当該合意に係る他人の刑事事件の裁判が確定する前であって,かつ,当該合意に係る自己の刑事事件の裁判が確定する前に自白したときは,その刑を減軽し,又は免除することができる。

 

本改正により,日本にも司法取引制度が導入されることになりました。

当面は,薬物銃器犯罪,財政経済犯罪,振り込め詐欺を中心とした組織犯罪を対象に運用されていくことになりますが,刑事司法の根幹に関わる重要改正であるだけに,制度運用が誤った方向に進むことのないよう,すべての法曹が細心の注意を払う必要があります。

また,弁護士は,弁護している被疑者・被告人が虚偽供述等罪の愚を犯すことのないよう,十分な制度説明をしていかなければなりません。

そして,同じく重要改正として,刑事免責制度も導入されることになりました。

刑事免責と引き換えに証言拒絶権を剥奪する,という強力な効果を発揮する制度ですので,弁護している被疑者・被告人やその共犯者に適用される可能性がある弁護士は,そのことを踏まえた弁護活動をしていく必要があります。(末原)

 
対応地域
神奈川(横浜・川崎・相模原・横須賀・小田原・保土ヶ谷・鎌倉・藤沢・平塚・厚木・戸塚・大船・逗子・久里浜・茅ヶ崎・海老名など)
東京(品川・新橋・渋谷・新宿・池袋・大崎・五反田・目黒・恵比寿・原宿・代々木・蒲田・大森・大井町・浜松町・有楽町・銀座など)

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