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判例考察2(最一決平26.11.17/最二決平27.10.22)

被疑者が,13歳の女子中学生に痴漢をしたという事案で,最高裁は,「本件において勾留の必要性の判断を左右する要素は,罪証隠滅の現実的可能性の程度と考えられ」るが,「被疑者が被害少女に接触する可能性が高いことを示すような具体的な事情はうかがわれない…ところ,原決定の説示をみても,被害少女に対する現実的な働きかけの可能性もあるというのみで,その可能性の程度について原々審と異なる判断をした理由が何ら示されていない」として,原決定を取り消し,準抗告を棄却しました。

また,成年後見人が,成年被後見人の貯金口座から300万円を横領したという事案で,最高裁は,「本件は,…長期間にわたり身柄拘束のないまま捜査が続けられていること,本件前の相当額の余罪部分につき公訴時効の完成が迫っていたにもかかわらず,被疑者は警察からの任意の出頭要請に応じるなどしていたこと,被疑者の身上関係等からすると,本件が罪証隠滅・逃亡の現実的可能性の程度が高い事案であるとは認められない」ところ,「勾留の必要性を認めなかった原々審の判断が不合理であるとしてこれを覆すに足りる理由があるとはいえず,原決定の結論を是認することはできない」として,原決定を取り消し,準抗告を棄却しました。

罪証隠滅や逃亡のおそれについては,抽象的可能性では足りず,現実的可能性まで要求するものと,理論上は従前から指摘されてきましたが,実務上は,抽象的可能性で足りるとしているとしか考えられない状況が,長らく続いてきました。

本決定は,これまでの勾留実務を厳しく戒めるものであり,非常に意義の大きい判例であるといえます。(末原)

 
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