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背任

法定刑

背任の罪を犯した場合,1月以上5年以下の懲役または1万円以上50万円以下の罰金に処せられます(刑法247条)。

もっとも,取締役等一定の重役にある者が背任行為に及んだ場合,特別背任の罪となり,1月以上10年以下の懲役もしくは1万円以上1,000万円以下の罰金またはその併科に処せられます(会社法960条)。

なお,背任行為から5,特別背任行為から7で時効になります(刑事訴訟法250条2項4,5号)。

弁護方針

逮捕等回避

背任は,組織内の犯罪であることが多く,捜査機関としても,ある程度捜査を進めないと,被害申告が真実らしいかどうか判断できないため,特別背任で被害額多額の場合など,実刑もあり得るような悪質な事案でもない限り,逮捕・勾留なしに捜査が進められることも珍しくないタイプの犯罪といえます。自首も検討しつつ,逮捕・勾留回避活動をしっかり行い,逮捕・報道回避,釈放獲得を目指す必要があります(お知らせ「刑事事件の報道や勤務先・学校への露呈の回避」も併せてご覧ください)。

仮に勾留され,起訴されてしまったとしても,裁判官面接を含む適切な内容の保釈請求をすれば,保釈が認められる可能性は十分にあります。示談が成立すれば,その可能性はさらに高まります。もっとも,被害額が極めて多額であるような悪質な事案の場合,保釈が認められないこともあります。このような場合,裁判がある程度進んだ時点で,再度保釈にチャレンジすることになります(お知らせ「勾留と保釈」も併せてご覧ください)。

認め事件

謝罪の上,示談成立を目指すことが活動の中心になります。背任のような財産犯の場合,被害弁償をするだけでも大いに意味がありますので,供託を含めた被害回復措置を検討すべきです(お知らせ「示談」「情状弁護」も併せてご覧ください)。

また,被害者が示談を完全に拒否している場合,贖罪寄付を行うこともあります。もっとも,後に被害者が翻意し,寄付金に加えて示談金も用意しなければならないリスクもありますので,贖罪寄付を行うかどうかは,慎重に判断しなければなりません。

他に,自首,家族など監督者の存在のアピールなども必要になってきます。この種の犯罪に及んでしまう原因として,浪費癖などにより,生活が破綻していることが少なくありませんので,家族などの協力を得ながら生活,特に家計を整えていくことが必要不可欠です。

また,行為の態様・結果・動機といった基本的な部分もきちんとチェックし,行為が同種事案の中で特に悪質とはいえないと主張できるような要素を,漏れなく拾い上げる必要もあります(お知らせ「行為責任主義」も併せてご覧ください)。

否認事件

捜査段階では,頻繁に接見するなどして取調べ等の捜査状況を把握すると共に,検察官面接を行うなどして検察官とも直接話をし,処分の見通しを早期に把握することが必要不可欠です。背任のような組織内犯罪の場合,捜査機関としては,組織の内部資料を丹念に辿っていく必要がありますが,資料が常に完全で正確とは限らず,犯罪事実の立証が困難な場合も少なくありませんので,弁護士の見極め次第では,嫌疑不十分を狙うことも十分にあり得るところです。

裁判段階では,検察官証拠を吟味し,必要な証拠をさらに開示してもらって精査し,検察官立証の要を崩す方策を見つけ出す必要があります。証人の証言の不合理な部分を反対尋問で徹底的に叩いたり,提出されている客観証拠からだけでは被告人が罪を犯したとはいえないことを説得的に論じたりするなど,事案に応じ様々な手を打っていくことになります。

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