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不正アクセス

法定刑

不正アクセスの罪を犯した場合,1月以上3年以下の懲役または1万円以上100万円以下の罰金に処せられます(不正アクセス行為の禁止等に関する法律3,11条)。

また,不正アクセス使用目的でのパスワード等の識別符号の取得・提供・保管・要求の罪を犯した場合,1月以上1年以下の懲役または1万円以上50万円以下の罰金に処せられます(不正アクセス行為の禁止等に関する法律4~7条,12条1,2,3,4号)。

さらに,不正アクセス使用目的がなくても,正当な理由なくパスワード等を提供する罪を犯した場合,1万円以上30万円以下の罰金に処せられます(不正アクセス行為の禁止等に関する法律5,13条)。

なお,各不正アクセス関連行為から3で時効になります(刑事訴訟法250条2項6号)。

弁護方針

逮捕等回避

不正アクセスの場合,被害者の数,不正アクセスの回数,不正アクセスにより得た情報の利用状況などに照らし,悪質性が高くなればなるほど,逮捕・勾留される可能性が高くなっていきます。

早期に弁護士に相談し,自首も検討しつつ,逮捕・勾留回避活動をしっかり行い,逮捕・報道回避,釈放獲得を目指す必要があります(お知らせ「刑事事件の報道や勤務先・学校への露呈の回避」も併せてご覧ください)。

仮に勾留され,起訴されてしまったとしても,弁護士が適切な内容の保釈請求をすれば,保釈が認められる可能性は十分にあります。

示談が成立すれば,その可能性はさらに高まります。

もっとも,不正アクセスにより得た情報の売買を業としてやっているような悪質な事案の場合,保釈が認められないこともあります。

このような場合,裁判がある程度進んだ時点で,再度保釈にチャレンジすることになります(お知らせ「勾留と保釈」も併せてご覧ください)。

認め事件

不正アクセスの場合,弁護士を介して被害者に謝罪した上,示談成立を目指すことが活動の中心になります(弁護士費用プラン①参照。お知らせ「示談」「情状弁護」も併せてご覧ください)。

また,被害者が示談を完全に拒否している場合,弁護士を介して贖罪寄付を行うこともあります。

もっとも,後に被害者が翻意し,寄付金に加えて示談金も用意しなければならないリスクもありますので,贖罪寄付を行うかどうかは,慎重に判断しなければなりません。

他に,自首,家族など監督者の存在のアピールなども必要になってきます。

端末の利用方法や情報倫理について,具体的に考えていくことが重要です。

また,弁護士が行為の態様・結果・動機といった基本的な部分もきちんとチェックし,当該不正アクセス行為が同種事案の中で特に悪質とまではいえないと主張できるような要素を,漏れなく拾い上げる必要もあります(お知らせ「行為責任主義」も併せてご覧ください)。

否認事件

不正アクセスの場合,捜査段階では,弁護士が頻繁に接見するなどして取調べ等の捜査状況を把握すると共に,終局処分の見通しを早期に把握することが必要不可欠です。

弁護士の見極め次第では,嫌疑不十分を狙うことも十分にあり得るところです。

被疑者自身は,黙秘権行使を原則とし,あえて積極的に供述していくときは,弁護士と相談しながら慎重に行っていく必要があります。

裁判段階では,まず弁護士が検察官証拠を吟味し,その上で網羅的な証拠開示請求を行って開示証拠を精査し,弁護士と被告人が綿密に協議しながら,検察官立証の要を崩す方策を見つけ出す必要があります。

要となる検察官証拠に対する証拠意見はすべて不同意として,証人の証言の不合理な部分を反対尋問で徹底的に弾劾したり,被告人に有利な証拠を積極的に収集・提出したり,被告人は無罪であることを弁論で強力かつ説得的に論じたりするなど,事案に応じ様々な手を打っていくことになります。

関連条文

不正アクセス行為の禁止等に関する法律3条

何人も,不正アクセス行為をしてはならない。

不正アクセス行為の禁止等に関する法律4条

何人も,不正アクセス行為(第2条第4項第1号に該当するものに限る。第6条及び第12条第2号において同じ。)の用に供する目的で,アクセス制御機能に係る他人の識別符号を取得してはならない。

不正アクセス行為の禁止等に関する法律5条

何人も,業務その他正当な理由による場合を除いては,アクセス制御機能に係る他人の識別符号を,当該アクセス制御機能に係るアクセス管理者及び当該識別符号に係る利用権者以外の者に提供してはならない。

不正アクセス行為の禁止等に関する法律6条

何人も,不正アクセス行為の用に供する目的で,不正に取得されたアクセス制御機能に係る他人の識別符号を保管してはならない。

不正アクセス行為の禁止等に関する法律7条

何人も,アクセス制御機能を特定電子計算機に付加したアクセス管理者になりすまし,その他当該アクセス管理者であると誤認させて,次に掲げる行為をしてはならない。ただし,当該アクセス管理者の承諾を得てする場合は,この限りでない。

一 当該アクセス管理者が当該アクセス制御機能に係る識別符号を付された利用権者に対し当該識別符号を特定電子計算機に入力することを求める旨の情報を,電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい,放送又は有線放送に該当するものを除く。)を利用して公衆が閲覧することができる状態に置く行為

二 当該アクセス管理者が当該アクセス制御機能に係る識別符号を付された利用権者に対し当該識別符号を特定電子計算機に入力することを求める旨の情報を,電子メール(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律第2条第1号に規定する電子メールをいう。)により当該利用権者に送信する行為

不正アクセス行為の禁止等に関する法律11条

第3条の規定に違反した者は,3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

不正アクセス行為の禁止等に関する法律12条

次の各号のいずれかに該当する者は,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

一 第4条の規定に違反した者

二 第5条の規定に違反して,相手方に不正アクセス行為の用に供する目的があることの情を知ってアクセス制御機能に係る他人の識別符号を提供した者

三 第6条の規定に違反した者

四 第7条の規定に違反した者

不正アクセス行為の禁止等に関する法律13条

第5条の規定に違反した者(前条第2号に該当する者を除く。)は,30万円以下の罰金に処する。

刑事訴訟法250条

2 時効は,人を死亡させた罪であって禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については,次に掲げる期間を経過することによって完成する。

六 長期5年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については3年

刑法12条

1 懲役は,無期及び有期とし,有期懲役は,1月以上20年以下とする。

刑法15条

罰金は,1万円以上とする。ただし,これを減軽する場合においては,1万円未満に下げることができる。

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